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Rinko Yamasaki

介護士は看取りを担うべき人。誇り高きマインドを育てよう。

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心理学の講師を務める看護師が書くブログです。
生と死を心の視点で捉えて書いています。

 

施設で看取りを行うことが増えています。
30代40代の責任者や看護師であっても、身近な人の死にを経験していない場合があります。
これまで“最期は病院で迎えるもの”と認識されていましたが、変わりつつありますね。
看護師だけでなく介護士も最期の瞬間に立ち会う職業になってきました。

 
そんな中、施設で介護士向けの教育が行われているでしょうか。
たとえばヘルパー2級を取得するためにどういう学習が行われているかご存知ですか。
数日間の知識的な勉強と試験、数日の実習をこなせば資格が取得できるヘルパー2級です。
介護士だからと、最期の瞬間にいきなり立ち会うのは精神的に重すぎます。
時間に追われるヘルパーさんたちにとって、かけがえのない最期の瞬間が“業務の一つ”になってしまっていないでしょうか。

 

 

訪問看護で高専賃に訪問していたときのこと。
施設がオープンして2年経ち、初めて「ここで死にたい」と言った利用者さんがいました。
私がいた訪問看護ステーションは24時間対応でなかったため、看取りを迎えた利用者さんに関わることができませんでした。
ですが、介護士さんが吐物を持って来たり、止まらない嘔吐をどうしたらいいかなど、ときどき相談を受けていました。

 
利用者さんのお部屋の横を通ったとき少し様子が伺えて、その時が近づいているのを感じました。
激しい症状は本当に苦しそうで、そばで介抱している介護士さんも辛そうでした。
ですが私には関わることができず。
ヘルパーさんたちがどのように最期をお送りするのだろう?と気にかかりました。

 

 

翌朝朝礼に行くと、その利用者さんは明け方に亡くなったとのことでした。
夜勤で担当していたのは25歳の男性介護士さん。
口数が少なく、静かでおとなしい人でした。

 
朝礼で施設長やサ責の業務連絡を聞きながら、その介護士さんの様子を見ていました。
おそらく忙しかったのでしょう。
やり残しの業務がたくさんあり、下を向いたまま黙々と後の処理を行なっていました。
彼から申し送りがあるかと思いましたが何もなく、施設長やサ責からも利用者さんが亡くなったことについて一切触れないまま、朝礼が終わりました。

私は訪問看護の予定があるためそのまま移動しましたが、下を向いたままの25歳の介護士さんのことが気にかかりました。
かなり残業をして黙って帰って行ったようでした。
で、思ったんですね。。
このままでいいのだろうか、って。

 

 

翌日、施設長とケアマネに提案しました。
余計なことかもしれませんが、このままでは気持ち悪さがあったからです。
「みんなで死についてカンファレンスをするべきです。答えは見つからないだろうけど、これから施設で看取りが増えていくなら話し合っていくべきだと思うんです。時間をつくっていただけませんか。」

 
まだ家族の死にも対面したことのない若い介護士さんが、初めて人が亡くなる瞬間に立ち会って何を感じたのだろう?
夜勤明けで家に帰って一人になったとき、何を思っただろうか?
死にたいして恐怖を感じた、あるいは、こんなものなんだと思った…
そう感じたなら、それはそれでいいのですが、危険なのは“無かったことにしてしまう”こと。

 

 

ヘルパー2級を取得するためのカリキュラムについてあまり詳しくありませんが、知り合いの勉強に付き合っていたことがありました。
概念的な内容はほとんどなく、知識、業務、技術の項目ばかりだったような気がします。
生命とは、生まれることとは、生きることとは、死ぬこととは、人生とは…
まだ一度も考えたことのない20代の男性が、夜中にひとりで人の死に立ち会うことの大きさを思うと、業務の一つにしてはいけないと思いました。

 
ところが3日経っても、一週間経っても、ミーティングの時間を取ってもらえませんでした。
施設長の答えは「忙しくてミーティングなどしているヒマはない。そんな時間は取れない。」とのことでした。

 

 

通常、人の死に関わることは身内以外ありません。
務めとして最期の瞬間に立ち会うのは、私たち医療従事者にしかできないことなのです。
死をスルーせず、見つめ、考え、その経験を伝えていくことが専門職の役割ではないかと思うのです。

 
介護はこれまでよりさらに高度な専門職になりつつあります。
最期の瞬間は、看護師よりも介護士がそばにいてあげるべきだと思います。
利用者さんの日常に関わっているのは介護士なのだからー

管理職や看護師は、そのためのフォロー体制をつくる役割だと思います。

命に関わる繊細な内容です。
真摯な気持ちでお話会をさせていただきます。

 

 
助産師vs看護師『命の再定義』
4月21日(土)15時〜17時
平野区・宝円寺
どなたでも参加できます。

 

 

 

 

 

山咲凛子(看護師/心力教育家)
看護師経験22年、9年前から心理学を学び“生き方・死に方”について探究。

病棟勤務で数多くの死に立ち会い、阪神大震災で悲惨な状況に遭遇する。死を避ける看護師になるが、父親の死を経験して命の捉え方が変わる。心理学から死を見つめ直し、過剰な医療や延命治療の適正化を図るため活動中。

年間授業日数150日以上、女性メンタルトレーナー150名育成、卒業生400名以上。2018年ナースの起業支援プログラムを開講、セッション数約4000件から導き出した“幸せが連鎖する心の在り方”を伝えています。
プロフィール
ナースのメルマガ【心と身体のStudyMail】

 

 

 

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