Wellnessナースビジネス <menu>をご覧ください ↓

menu

Rinko Yamasaki

無常観は「生き切る力」。大病した人ほど生命力は強い。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

心理学の講師を務める看護師が書くブログです。
心の視点で生き方、健康について書いています。

 
先日の<命は、惜しむより「使い切る」>
からの“無常観”について。

「日本人の死をおそれないことは格別である。むろん日本人とても、その近親者の死に対して悲しまないことはないが、現世からあの世に移ることは、ごく平気に考えているようだ。彼らはその肉親の死について、まるで茶飯事のように話し、地震や火事その他の天災をば茶化してしまう。私は長崎の町の付近で散歩の途次、たびたび葬儀をみた。中にはすこぶる著名の士のそれさえみたが、棺はわれわれの考えでは、非常に嫌な方法で担がれ、あたかもお祭り騒ぎのように戯れていた」

 
参列者は快活に軽口を飛ばし、笑い声を立てていることもあり、どうやら死を憐れむものとは思っていなかったようです。家事で焼けた後でも笑ったり、喋ったり、冗談を言い合ったり、辛いことも茶化そうと務め、涙にくれている人はいないという。そして異様なほど、失くしたものを再建する力に優れていました。

 

 

 
江戸時代の日本人は外国人が驚くほど質素な栄養で少食で、馬よりも体力があると言われていました。
またよく動き、よく働き、底抜けに明るく親切で利益を求めない、外人には理解できない国民性だったようです。
そして太平洋戦争では、米が最終手段としての原爆投下を行うしかないと判斷するほど、世界が恐れる強さを秘めていました。
日本人がこのような生き様を身につけていたのは、「古くから伝わる仏教」「移りゆく四季」「心情を謳う俳句や短歌」などの文化があったからではないかと考えます。

 

| 仏教 |

仏教にはさまざまな教えがあります。「四苦八苦」は生きていることそのものが“苦”であるという。「求不得苦(ぐふとくく)」は生きていることそのものが苦なのだから、今あることが有り難いと説いています。「有り難い」は有ることが難しいという意味。そして「刹那」は一回指を弾く間に65の刹那があると例えて“瞬間”を表し、幸せは刹那なものであると説いています。

 

| 移りゆく四季 |

日本の移りゆく季節が命の儚さを教えてくれています。すべては老いて枯れて散りゆくもの、時期が来れば新しい命が芽吹いて育ち、華々しいときが過ぎ去ればまた朽ちて散りゆくーと命の循環を示してくれているんですね。四季折々の花々の変化を観ながら、いつの間にか日本人の心に無常観が根ざしていたのではないかと思います。

 

| 俳句や短歌 |

普段は意識しないものの、生活の中で感じる“苦”や“有り難さ”、“四季の移ろい”から来る「切なさ」を短い言葉で表現していたのだろうと思います。どうにもできない儚さを、言葉にせずにいられなかったのかもしれませんね。そして互いに共感し合うことで「刹那な幸せ」を愉しんでいたのでしょう。

 

 

 
しかしながら現代人の私たちが、昔と同じ状態になっても幸せを感じることはできません。
江戸時代の後期~戦後にかけて西洋文化が日本の常識となり、成果をつくることに幸せを見出し始めたからです。
お金、学歴、出世、豪華な食事や海外旅行、幸せな結婚生活…
自分探しの旅をして、幸せを追い求め、どこかに答えがあると彷徨っているのではないでしょうか。

 
ところが、現代でも「無常観」を伴いながら生きている人たちがいます。
その人たちは尋常でない強さを秘めています。
あなたの周りに思い当たる人はいませんか?

 
それは、死んでもおかしくないほどの

“大怪我や大病をした人”

この人たちは物凄い底力を秘めています。

 

 

 
なぜなら…
自分は死ぬはずだったのだから、この命は無いも同然
という感覚を伴っているからです。
自分の成果や評価をさて置き、とにかく人のために尽くすことができるのがこの方たちです。

 
事故で病院に運ばれてきた患者さんは…
手や足を失ったショックから、いったん自暴自棄に入ります。
落ち込み、怒り、非常に不安定な状態になりますが、このとき関わる看護師や医療関係者の力によって次の階段を昇ることができれば、「今の自分にできることは何か?」と考え、その方法を見出し、世のため人のために残された命を使い尽くそうとします。
このエネルギー溢れた人に、周囲の人は自然と惹きつけられていくんですね。

 
余命◯ヶ月。
そう告げられて「命を惜しんでいる人」は、周囲のエネルギーを奪っていきます。
けれども「残された命を使い切ろうと決めた人」は周囲に代え難いエネルギーを与えます。
そうして亡くなった後も残された人の心にいつまでも宿り続けるのです。

 

 

 
では不幸のどん底に陥った人でなければ、強くなれないのでしょうか。
そんなことはありません。
あなたが「生まれることの意味」を知ったとき、何かが変わり始めるかもしれません。

 
数百件の出産に立ち会ってきた経験22年の助産師と
数百人の死に遭遇し、ずっと死を避けてきた経験22年の看護師が
400年の由緒あるお寺でトークライブをします。
〆はお寺のご住職が説いてくださる、有り難い機会です。

 
4月21日(土)15時~17時
大阪平野区「喜連瓜破」駅から徒歩10分 宝円寺
おひとり¥3000
どなたでも参加できます。
助産師vs看護師「命の再定義」トークライブ

 

 

 

 

 

山咲凛子(看護師/心力教育家)
看護師経験22年、9年前から心理学を学び“生き方・死に方”について探究。
病棟勤務で数多くの死に立ち会い、阪神大震災で悲惨な状況に遭遇する。死の意味がわからず死を避ける看護師になるが、父親の死を経験して命の捉え方が変わり、心理学から死を見つめ直す。過剰な医療や延命治療の適正化を図るため活動中。年間授業日数150日以上、女性メンタルトレーナー150名育成、卒業生400名以上。2018年ナースの起業支援プログラムを開講、セッション数約4000件から導き出した“幸せが連鎖する心の在り方”を伝えています。
プロフィール
ナースのメルマガ【心と身体のStudyMail】

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

カレンダー

2018年10月
« 9月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031