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Rinko Yamasaki

命は、惜しむより「使い切る」

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心理学の講師を務める看護師のブログです。
心の視点で命について書いています。

 
前回は日本人が持っている「誕生日」の認識について書きました。
同じ誕生日の人に出会う確率は1/46であることや
同じ誕生日の人に運命を感じる人が100%であること、
だけど自殺が多いのも誕生日前後なのだそうです。
<誕生日ってどんな意味があるの?命を再定義しよう>

 

 

 
誕生日を祝う習慣ができたのは戦後です。
では昔の日本人はどんな死生観を持っていたのでしょうか。
渡辺京二さんの「逝きし世の面影」に江戸時代の日本の情景が、外国人によって表されています。

 
日本人は死をおそれないし、不幸にあってもめげずに笑っている、と描写している外国人が多数います。
そこには今の私たちとはあまりにもかけ離れた姿がありました。

 
その中の一節。

「日本人の死をおそれないことは格別である。むろん日本人とても、その近親者の死に対して悲しまないことはないが、現世からあの世に移ることは、ごく平気に考えているようだ。彼らはその肉親の死について、まるで茶飯事のように話し、地震や火事その他の天災をば茶化してしまう。私は長崎の町の付近で散歩の途次、たびたび葬儀をみた。中にはすこぶる著名の士のそれさえみたが、棺はわれわれの考えでは、非常に嫌な方法で担がれ、あたかもお祭り騒ぎのように戯れていた」

参列者は快活に軽口を飛ばし、笑い声を立てていることもあり、どうやら死を憐れむものとは思っていなかったようです。
家事で焼けた後でも笑ったり、喋ったり、冗談を言い合ったり。
辛いことも茶化そうと務め、涙にくれている人はいないという。
そして異様なほど、失くしたものを再建する力に優れている話が掲載されています。

 
日本人の特質として「底抜けに明るくよく笑う」という要素があり、「死は避けがたいもの」と、どこか受け入れている節があったようです。
また外国人が日本の入浴シーン(とくに男女混浴)を見て驚くように、「開けっぴろげな裸族」であり、ある意味「野蛮」な性質もあるようです。
何があろうとめげずに立ち上がる力を秘め、また世界で稀に見る体力の持ち主でした。

 

 

 
なぜ日本人がそういった生き方ができたのでしょう?
日本人が持っていた以下の3つの要素が関連しているのではないかと思います。

 

「無神論」
諸外国には「神」の存在を立てていました。ところが日本は日本神道や仏教があるものの、普段は忘れ去っており、いざというときだけ頼りにする“苦しいときの神頼み”的な扱いでした。それが生活そのものの質を良くしていたのではないかと思います。「貧乏人はいるが貧困はない」と日本に来た外国人が言い表しています。

 

「旧暦の生活」
日本には旧暦があり、日常で行われる年間行事は月の動きに従って決められていました。地球は磁力で月は引力。その狭間でバランスしている我々人間をよく知っていたんですね。島列島であることが要因になっているかどうかわかりませんが、潮の満ち引きに自分たちの行動を合わせ、人間は自然のサイクルの中で共存していることに気づいていたのでしょう。

 

「無常観」
沙羅双樹の花の色、諸行無常の響きあり。という俳句が有名であるように、日本人の根っこには無常観があったのだと思います。世の常は儚いもの。幸せは刹那なもの。すべては移ろいゆく変化の中に自分たちは存在していることがわかっていたのではないかと思います。対して現代人の私たちは?自分探しの旅をして、幸せを追い求め、どこかに答えがあると思い彷徨っているのではないでしょうか。

 

 

 
こうして昔の日本人は

「生き切る力」

を使っていたのだと思います。
ゆえに死を悪いことだとは思っていない。
必要な時期が訪れたーという認識でしょうか。
どんな状況であれOKが出せるのは、自分の感覚に素直に従い無邪気な子供のように、慈しんで生きていたからだろうと思います。

 
戦後の西洋医学は社会を高度成長に導きました。
知識人を増やすことに成功しましたが、同時に病気や死への恐怖を根付かせ不健康を発生させたと言えます。
私たちが単に昔の日本人に戻っても仕方がありませんね。
先人たちの教えをどう活かすか?を現代人の私たちは求められているのでないでしょうか。

 

 

 
数百件の出産に立ち会ってきた経験22年の助産師と
数百人の死に遭遇し、ずっと死を避けてきた経験22年の看護師が
400年の由緒あるお寺でトークライブをします。
〆はお寺のご住職が説いてくださる、有り難い機会です。

4月21日(土)15時~17時
大阪平野区「喜連瓜破」駅から徒歩10分 宝円寺
おひとり¥3000
どなたでも参加できます。
助産師vs看護師「命の再定義」トークライブ

 

 

 

 

 

山咲凛子(看護師/心力教育家)
看護師経験22年、9年前から心理学を学び“生き方・死に方”について探究。
病棟勤務で数多くの死に立ち会い、阪神大震災で悲惨な状況に遭遇する。死の意味がわからず死を避ける看護師になるが、父親の死を経験して命の捉え方が変わり、心理学から死を見つめ直す。過剰な医療や延命治療の適正化を図るため活動中。年間授業日数150日以上、女性メンタルトレーナー150名育成、卒業生400名以上。2018年ナースの起業支援プログラムを開講、セッション数約4000件から導き出した“幸せが連鎖する心の在り方”を伝えています。

プロフィール
ナースのメルマガ【心と身体のStudyMail】

 

 

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