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Rinko Yamasaki

命の所在はどこに?!患者と病院の溝

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心理学の講師を務める看護師が書くブログです。
心の視点で命を見つめています。

 

 
ある女性が、高齢で独身の叔母に胃ろうをするかどうか、の瀬戸際に立っていました。
叔母には兄弟がいますがみな高齢で医療の判断が難しく、離れたところに住む姪が放っておくこともできず…という状況でした。
彼女に以下の話をしました。
医師は命を救うことが目的の職業であること。
今後本人と家族に起こりうる合併症や心労について。

 
彼女はそれを聞いて、胃ろうをしない方を選ぶと決めました。
自分が責任を持って医師に伝えることも。
翌日電話で主治医と話したとき、最初に質問をしたそうです。
「先生が叔母の状態だったら胃ろうをしますか?」

 
医師は言葉を濁して答えなかったそうです。
そして彼女にこう告げました。
「胃ろうをしないなら、胃ろうをしない許可を親戚から取ってください。」
 

 

 
ん?何か変じゃありませんか?
医療は患者さんのニーズによって提供されるんじゃないの?
そこまでしてもらわなくていいと告げた家族に、その証明を求める医師の心情とは?

 
後で親戚から「何で胃ろうをしてくれなかったんですか?!」と責められたときのため?
あるいは上司や経営者から「何で胃ろうをしなかったんだ?!」と責められたときのため?
何から自分を守ろうとしているのでしょうか。

 
前者の可能性はあるかもしれません。
ただ今回の場合、「叔母の兄弟は、決められないので決めてほしいと私が頼まれました」と姪が医師に伝えています。
では後者は?
なぜ上司や経営者から責められる可能性があるのでしょう?

 
医療にはAのときはYの検査や治療を行う、BのときはZの検査や治療を行う、という治療方針がある程度決まっています。
その基準は診療報酬点数制度に従っています。
<命を救う=報酬になる>
医療が盲目的になってしまう恐れがあることを、知っておかねばなりません。
医療費が削られていく中で、医師たちがどんな葛藤をしているか・・・
「お医者さんが言うことはゼッタイ」
という信仰で命を託して本当にいいか、ひとりひとり考えるべきときに来ていると思うのです。

 

 

 
先日、うつ病の相談者さんも、医療が経営であると知って驚いていました。
どうやら医療は善意で行われていると思っていらっしゃったようです。
保険診療で患者さんが支払う金額は3割ですが、病院は残りの7割を都道府県や国から受け取っています。
むやみやたらに延命を嫌がる医師もいますが、病院に運ばれてきた以上、施さないわけにはいかないのが現状です。

 
現在、延命治療に関する意思表示は、
役所にいる公証人立ち会いのもと、尊厳死宣言公正証書を法律相談事務所などで作成してもらう方法があります。
また日本尊厳死協会でも書類を作成しています。
ところが両者とも病院での効力はなく医師の判斷によって脚下できるため、各介護施設や訪問医療で作成するのと変わりないようです。
そして厚生労働省が今月になってようやく書類の準備にかかりました。

 
ただ、看護師の視点で看れば「万が一」の状態は数限りなくあります。
そして行われる処置も数限りなくあります。
その先にどういう合併症や心労が起こりうるか予測しておかなければなりません。
延命の決定が医療でなされるとおかしくなる。
ひとりひとり、自分の命の責任を持ちたいですね。

 

 

数百件の出産に立ち会ってきた経験22年の助産師と
数百人の死に遭遇し、ずっと死を避けてきた経験22年の看護師が
400年の由緒あるお寺でトークライブをします。
〆はお寺のご住職が説いてくださる有意義な時間です。

 
4月21日(土)15時~17時
大阪平野区「喜連瓜破」駅から徒歩10分 宝円寺
おひとり¥3000
どなたでも参加できます。
助産師vs看護師「命の再定義」トークライブ

 

 

 

 

 

山咲凛子(看護師/心力教育家)
看護師経験22年、9年前から心理学を学び“生き方・死に方”について探究。
病棟勤務で数多くの死に立ち会い、阪神大震災で悲惨な状況に遭遇する。死の意味がわからず死を避ける看護師になるが、父親の死を経験して命の捉え方が変わり、心理学から死を見つめ直す。過剰な医療や延命治療の適正化を図るため活動中。

年間授業日数150日以上、女性メンタルトレーナー150名育成、卒業生400名以上。2018年ナースの起業支援プログラムを開講、セッション数約4000件から導き出した“幸せが連鎖する心の在り方”を伝えています。

プロフィール
ナースのメルマガ【心と身体のStudyMail】 

 

 

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