予防看護のビジネスづくり <menu>をご覧ください ↓

menu

Rinko Yamasaki

突然の介護!介護の自己犠牲を予防するためにできること。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

心理学講師の看護師が書くブログです。
心の視点で介護と認知症の問題解決について書いています。

 
少し前に、小室哲哉氏の不倫騒動による引退の報道がありましたね。
かつては人も羨む華々しい生活をしていたスターが、やつれた姿で公然に立つのを痛々しく感じた人が少なくなかったのではと思います。
その後上がった声は「介護者の精神的負担はどうなるの」でした。
介護や認知症だけでなく、病気を治せていない医療に向けられた問題のような気がしました。

 

 

 
急に介護をすることになった40代女性からのご相談をご紹介したいと思います。

相談者さんのご両親は地方でお二人で生活していて、奥様が重度の認知症で旦那様がお世話をされています。
奥様は身体が元気なので一人で出かけてしまうことも多く危険で、自分で契約や予約をしてしまうので旦那様は目が離せない状態でした。
数年以上経過していますが、相談の前日、旦那様が介護に嫌気がさして、突然遠方に住む娘のところに奥様を連れてきて帰ってしまわれたそうです。

 
その娘さんが相談者さんですが、ご自身でビジネスをされているため困っていらっしゃいました。
「どうしよう?!せっかくここまで積み上げてきた仕事があるのに、このままでは私は出かけられない!お客さまに迷惑がかかるし信用を失くしてしまう!私はどうしたらいいの?!」と。

 
一つの案は精神科への社会的入院措置です。
ですが精神科に入ると行動を制限するために薬が投与されます。
お母さまを薬漬けにしたくない…と娘さんは迷いました。
私は「ご自分が大事にしてきたものを最優先に考えてください。お母さまの状態を優先するならお家で看てあげることがいちばんです。それが無理なら社会的入院措置を受け入れましょう。」とアドバイスしました。
そしてそれぞれ、社会的入院措置をとってくれる病院を探すことになりました。

 

 

 
翌日。
やはりお母さまは一人で出かけようとするので危険な様子です。
また急に環境が変わり食事を摂らなくなり手がかかるとのことでした。
翌日に仕事の予定が入っている相談者さんは精神的に参っていらっしゃるご様子で、私はこう説明しました。

 
「あなたが十分な介護ができず、もしお母さまが勝手に飛び出して交通事故に遭ったとしても、たとえ肺炎になって亡くなったとしても、それはあなたのせいではありませんよ。あなたが責任を取る必要はないんです。」と。

 
もし相談者さんが自分が大切にしてきたものを犠牲にして介護に尽くした場合、周囲からは立派な娘さんだと思われるかもしれません。
しかしながら介護はすぐに終わるわけではなく10年20年続くかもしれません。
そのとき失った大切な時間や人間関係はもう二度と取り返せないのです。
またそんな母親の姿を見ている息子さんや娘さんはどう思うでしょうか?
親のために自分の人生を犠牲にすることが良いことであると思わせてしまうのです。

 
自分の気持ちを抑え込んで介護に尽くすことによって、ご自分の人生だけでなく、子供の人生をも犠牲にしてしまうのです。
何かを犠牲にする介護が、いい循環を生むはずがありませんね。

 

 

 
その翌日、相談者さんは高校生の子供さんの協力を得て、仕事に出かけられたそうです。
数日後の電話で…
「父の大変さを感じました。父が苦しくならないように兄弟で話し合いました。これからは父に任せっきりにせず、ときどき兄弟が交代で母を預かることにしました。」と。
社会的入院措置をとってくれる病院を準備していましたが、突然お父様が再び娘さんのところに来て、奥様を連れて帰られたそうです。
数日間ひとりで暮らしてみて気が済んだようだった、とのことでした。

 
子供たちが自分の苦しさを理解してくれたのを感じ取ったのか、認知症とはいえ奥様のいない生活が淋しかったのかわかりません。
孫も含めてみんなが協力する体勢が整ったところ、事態は終息しました。

 

 

 
長寿国として有名なスウェーデンの福祉をご存知ですか?
日本は同居が45%以上ですが、スウェーデンはわずか4%です。
ここの国民は“自立”や“尊厳ある老後”に価値をおいていて、認知症・介護になっても子供と同居をしません。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45510

 
では介護職は大変だろうと思うかもしれませんが、スウェーデンの介護士の平均勤務時間は6時間です。
介護はすべて国が責任を負っていて、専門家に任されているんですね。
日本政府が制定した“介護休暇”は、一見、国民への優しさのように感じられますが、そんなことはありません。
政府は国民ひとりひとりに責任転嫁しているとも言える態度なのです。
国の経済を支える壮年期世代の負担を増やしています。

 

 

 
だからもし、介護でイライラしたり行き詰まったときは…
「できる範囲ですればいい」
「やろうと思ったときにすればいい」

 
無理をする必要はないんです、家族だからといって。
介護の犠牲者を増やしてはならないのです。

 
やりたい仕事があるなら、それを放棄してまで介護をするべきではないし、イライラしているくらいなら介護はしない方がいい。
一つケアを疎かにしたからといって大したことにはなりません。
それよりも介護をする人の心の状態の方がはるかに大切だからです。
とくに女性は娘として、嫁として、妻として、母として、尽くすつもりかもしれませんが、動ける人だからこそご自分の人生と社会活動を優先しなければならないのです。

 
自分を優先すると決めれば、何らかの手段が観えてきます。
ただ、私はこれでいいんだ、この選択で間違っていないんだ、という自己信頼感がなければ難しい。
ゆえに心理療法を学んだナースが心の支えになるのです。
「大丈夫、あなたはそれでいい。」と背中を押してあげること。

 
そうでなければ一般の方たちは承認欲求と世間の常識に縛られ、新たな一歩を踏み出せないのです。
これに似た相談が定期的にあります。
介護よりも、本幹たる自分の人生を優先できる社会にしていきたいと思いませんか?

 

 

さて、看護師と介護職の方々に介護と認知症予防のお話会を開催します。

看護師経験22年、9年前から心理療法を学び“生き方・死に方”について探究してきました。
コミュニケーションスクールで主任講師として活動しながら、訪問看護ステーションの立ち上げも行い、介護職向けにコミュニケーション講座を開催。
個人活動では女性の新しい生き方を支援してきました。

 
現在、年間授業日数150日以上、セラピストトレーナー150名育成、卒業生400名以上。
セッション数約4000件から導き出した、幸せを波及する心の在り方です。

 
2月24日(土)15時~17時
大阪・中之島SPINNING
参加費¥3000
<心から看る介護と認知症の予防>

 

 

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

カレンダー

2018年6月
« 5月    
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930