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Rinko Yamasaki

“無治療”を選んだ余命半年の乳癌の女性/病気には目的がある

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昨年9月頃ナースサミットの準備に追われて疲れ果て、フラフラと近所の焼肉屋さんに行ったときのことです。

 
店内は4組のお客さんだけで静かでした。
すると…
「看護師」を連発している女性2人が2つ向こうのテーブルにいました。
悪口かなぁと思いながら耳を澄ましていましたが、話の内容まで聞こえず。
食べ終わってから意を決して話しかけに行きました。
その目的は翌月開催するナースサミットにお誘いすることでした。

 
ひとりは介護施設の女性経営者さんでした。
もう一人は結局何をしているかわからない人でしたが、2人はお友だち同士でした。
気になったのは、何をしているのかわからない女性。
ナースサミットよりもクラウドファンディングに興味を示しました。
「私もそれやりたい!できる?!」と。

 
「私、乳癌なんです。しかもStage4の。先生に余命半年って言われてて…」
いや、すっごく綺麗な、おそらく40歳前後の、巨乳だけどスタイルのいい女性です。
とてもそんなふうに見えずビックリしました。

 

 

 
余命半年と言われて治療を勧められましたが、“無治療”を選んだそうです。
疼痛性の乳癌なので一度だけ放射線療法と抗がん剤の治療をしたそうです。
先生が副作用はないって言ったのに翌日から激しい嘔吐で、抗がん剤治療をしたあと間質性肺炎になり、肺炎の治療をするとまた別の病気になり、病院っていったい何なのー??
と、余命半年とは思えないエネルギーで話されました。

 
診断を受けたのは2年前で、病院に行くたび、治療をしなければ半年後には死ぬよと言われ続けて2年経っているのだそうです。
で、ビールを飲んで焼肉食べて、友だちと大声で話して…
私は看護師として、この女性になんて言えばいいのだろう…と迷いました。

 

 

 
介護施設の女性経営者さんはナースサミットの話を聞いて、「で、凛ちゃんはどんな看護をしたいの?」と尋ねてくれました。
投薬や栄養療法、運動療法では一時的に良くなるかもしれないけど、心の状態が整っていなければまた別の問題が起こることを話しました。

 
ほとんどの看護師は仕事に満足していないこと、本当はお金がほしいのではなくやり甲斐をお金にしてるだけであることも話しました。
そして介護や認知症の問題は、今の高齢者の問題ではなく、30代40代50代にあることなどザーッと話しました。

 
すると、その経営者さんは心と身体について驚くほど理解がありました。
「だから私も介護してて何か違うなって思って、実はエステサロンもしてるんです。いや、それもいまいちなんだけどね。。」と。

 

 

 
乳癌の女性のことが気になりましたが、この人たちなら解るのではないかと思い、ちょっと勇気を出して言ってみました。

「病気も認知症も介護も目的があってなってると思うんです。そうなることが、その人にとって何か都合がいいからなってるんじゃないかって私は思ってます。」

「えええええーー!!!」(乳癌の人)

「ほなら、私は自分が乳癌になりたくてなったってこと???」

アクションが大きく圧倒されそうでしたが、私自身の心が乱れないよう姿勢を正し深呼吸をしました。

 

 

 
「そうなんです。何か目的があったかもしれないと考えてみてください。◯◯さんにしかわからないけど、乳癌になることで何か都合が良くなったことがあるかもしれません。」

「はーーーーーーーっ!!!」

「わかったー!あるっ!」

「私、病気になる前は周りにイライライライラして怒ってばっかりでした!それが乳癌になってから、そんなことはどうでもよくなって。」

「それよりも今私が経験していることを、死ぬまでに誰かに伝えたいって思ってるんです。だからクラウドファンディングが…」と。

私:「怒りの感情は相手に向けられてるけど、自分自身の細胞を少しずつ破壊していくんですよね。」

乳癌の女性:「そうか。だから私怒らなくなって寿命が伸びてるんだ!そういうこと!」

 

 

 
その女性にはやりたいことがありました。
無治療を選んだ自分のことをブログに書いて発信したいという想いがありました。
おそらく今はまだ働いていて、仕事をやめて発信するための生活費をクラウドファンディングで集めたいと思っているのでしょう。

 
乳癌の女性:「だけど誰かが、私のブログを見て真似をしたら…。もしその人が亡くなったら私のせいになるでしょう?それが怖くてできないんです…」と。
そうですね、医療の記事はすべての人に関わるため看護師でも躊躇しますね。
一般の方なら尚更かもしれません。

 

 

 
ですがブログは個人が書く日記です。
自分のことを綴るのには何の罪もないと伝えました。
そして勇気を振り絞って私はこう言いました。

 
「でもね?もしそれを読んであなたの真似をした人が仮に亡くなったとき…。
きっともう、その頃あなたはいないですよね…?」
一瞬、女性の表情が固まりました。
私はそれ以上の言葉を続けませんでした。
彼女はきっと、自分で何か気づいてくれると信じたのです。

 

 

 
お店の人に「すみませんが閉店なんです」と言われるまで、私たちは話し続けました。
そしてレジで精算しているとき、乳癌の女性が遠くを見つめてつぶやきました。

 
「なんか今日、この短い時間に光が見えたわ。」と。
出会えたことを私たちは喜び合い、笑顔で別れました。

 
人は根っこでは、誰かの役に立ちたい、自分が生まれたことの意味や、存在していることの価値を残したいと思っているんですね。
じゃあ余命を告げられなければ出来ないかというと、そうではありません。

 

 

 
私たちは身元を明かさないまま別れたので、この事例は個別相談にはつながりませんでした。
ですがきっと、彼女に何かしら変化が起こっているだろうと思います。

 
『病気には目的がある』
これは看護の神髄だと思っています
その答えは本人にしかわからないもので、間違いも正解もありません。
ただ、考えてみることによって新たな気づきが起こります。

 
コミュニケーション力を養えば、“看護のチカラ”を最大限発揮できます。
それは今後の人生を変えてしまうほど大きな変容を起こすことも。

 

 

健全な心と体は病気の悪化を防ぎます
個別相談はこちらへ。

 

 

 

 

 

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