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「お医者さまは神様じゃない」おばあちゃんの明日

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血液透析の歴史はまだ40~50年です。
自分の血液を浄化できるという画期的な医療は
慢性腎不全や糖尿病患者の多くの命を救ってきました。
ただ、厳しい食事療法が続き
身体的疲労や合併症が強く
治療に伴う苦痛や危険性があります。

 

80歳代のおばあちゃんは
重度の認知症で寝たきりでした。
家族が話しかけても反応はありません。
ほとんど発語がなく
あー、うー、という喘ぎ声をたまに出すだけです。
血液透析では布団針のような太い針を2本刺し
1分間に200mlの血液を循環させるため
万が一のことがあると
数分間で出血多量で命を失う危険性があります。
けれど認知症は危険性を
理解できる状態ではありません。

 

透析中、針やテープによる不快感があるため
何度も取ろうとします。
危険を防ぐため
4~5時間の治療中は両腕を抑制帯で固定されます。
顔がかゆくても掻くこともできない。
体勢を変えることもできません。
できればあまり強く固定したくない。
だけど危険があってはいけない。

 

頻回に様子を見ながら
最小限の固定で済むように努力します。
ところが認知症の人ほど
抑制帯や針の固定を上手に外します。
どうやって外したの?と驚くときもあります。
スタッフ全員が
他の患者さんの血液回収に入っているとき、
その事故は起こりました。

 

 

ピーーーーーッ!
モニターのアラームが鳴り
スタッフが駆けつけると針が抜かれていました。
血圧低下、顔色不良、意識低下。
すぐに治療を中止し数人がかりで対応しました。

 

危機を脱しましたが、血液検査では著名な貧血状態。
多量の輸血を行いました。
透析患者さんが輸血をする場合
カリウムを排泄する腎臓が機能していないため
同時に血液透析を行いながら輸血をします。
開始から約10時間が経過していました。
おばあちゃんはぐったりしたまま病棟へ。
そして翌日も朝からカリウムを除去するために透析。
意識が戻っているため抑制帯が必要でした。
同じ事故を繰り返さないよう
頑丈に抑制しなければなりませんでした。

 

血液検査の結果でも危機を脱しました。
おばあちゃんは元の生活に戻れます。
そのとき私はふと頭によぎりました。
明日からのおばあちゃんの生活…。
家族が来てもわからない。
何もしゃべれない。
淋しさを感じることはないかもしれないけど
喜びを感じることもない…。
この人に何の楽しみがあるのだろう?
危機を脱して、そして明日から、何があるのだろう?と。

 

 

輸血の副作用と頻回な血液透析で
身体のダメージは計り知れないけど
病棟に戻ればいつもと同じように食事を食べなければなりません。
認知症で寝たきりの高齢者の食事摂取は完全に管理されます。
そして毎食後、薬を多量に口に入れられます。
いつもと同じように車いすに座らされ
レクレーションにも参加しなければなりません。
嬉しい、楽しい、美味しいなど、何もわからない。
生きるために血液透析をしているのか。
それとも血液透析をするために生きているのか。

 

患者さんが認知症の場合
治療は医師と家族の間で決められます。
医師は治療するのが務め。
何歳だろうと、どんな状態であろうと
命を救うことが務めなのです。

でもその人にとって
治療することが幸せかどうかは…

 

 

②100歳のおじいちゃんの後悔←  →次に続く

 

 

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