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Neoナースコミュニケーションスクール

「時短」で起こる男女の戦いを学術研究会で。男性管理職も驚く男女の深層心理。

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昨日、近畿臨床工学技士学会の男女共同参画でトークライブを行いました。
私の肩書は講師としていますが、正確に言うと「ファシリテーター」です。
ファシリテーターとは「促進する人」を言います。
コミュニケーションスクールにおいては「変化を促進する人」。
伝わりにくいので講師という肩書にしていますが、本来は何かを教える人ではなく多人数の人たちの変化を促進させていく、というのが私の職業です。

 

 

臨床工学技士にどういったイメージをお持ちでしょうか。
難しい医療器械を扱う専門家。
理数系の男性的な仕事、という印象ではないでしょうか。
MEや血液透析の仕事が主で、この30年ぐらいの間に定着してきた仕事です。
近年は女性の臨床工学技士も増えていますが男性ほどではなく、なんとなく女性は働き辛さがあります。
私も透析室で8年ほどの勤務経験があり臨床工学技士の男女関係の難しさを知っているため、今回のお話を引き受けました。

 

 

前もって男女関係に関するアンケートを実施し、最初は司会者からの結果と考察が発表されました。
男性・女性に対する優劣を持っている人は少なく男女平等は定着しているようですが、男女間で明らかに違いがあるのは役割りの認識でした。
「家事・育児は女性がやるべき」と思っている人が、男女共に圧倒的多数。
そして「収入は男性が稼ぐべき」と思っている人が、男女共に圧倒的多数。
家庭内では役割りの違いがあることを認識しているのですが、「職場においては男女平等」という認識でした。
そこで問題になってくるのが女性特例の「休暇・時短」です。
男は子供を産むことができないからと心得ている男性が多く、産休・育休はあまり問題にならないようです。
ところが、産休・育休明けで職場に復帰してきた女性が取る「時短」。
これに望ましくない感情を抱いてしまう男性が多いようです。

 

 

予想ですが、女性の言い分としては
・たとえ時短を使ってでも働きたい。
・子供も大事だけど社会の一員でもありたい。
・子供を産んでも自分の仕事を大切にしていきたい。
・身につけた技術を失いたくない。
という思いで復帰されるのだと思います。

ところが男性は?
とくに透析室で勤務する技士が多いのですが、透析室は日勤帯の患者さんが終わってから機械の修理やメンテンス、明日の準備などで忙しい職場です。

そしておそらく男性はこんなふうに思っているのではないかと予想します。
・やっと復帰したと思ったら時短か。
・今からが忙しい時間なのに帰りやがって。
・女はいいよな。
極端な場合は
・ちゃんと働けないなら働くなよ。
・働くなら家庭より仕事を優先しろよ。
と思ってしまうのではないでしょうか。

そして男性上司は「急な休みや時短を取られると職場の雰囲気が悪くなるから、できるだけ出産後の女性を雇いたくない」と思うようです。

 

 

この男女間の問題を解決していく、というのが今回のテーマ。
「時短をとる女性に対する男女間の戦い」について90分のトークライブを行いました。

 

 
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最初に~
隣の部屋では心臓機器に関連した研究発表が行われていますが…
「皆さん、日曜の朝9時から、こんな男女関係の演目を聴いていていいんですかー?大丈夫ですかー?」
という一声からスピーチを始めました。
でも本当は、ここに座っている人たちの方が正解なんです。

 

 

なぜならね?
どんなに素晴らしい知識や技術を学んだとしても、それを発揮する“自分本体”がグラグラしていては知識や技術どころではなくなるから。
朝家を出る前に奥さんあるいは旦那さんと言い争いをして、クソーと思いながら仕事に就いて、イライラモヤモヤしながら腹わたが煮えくり返るような感情を伴っているとき、素晴らしい知識や技術のことなど思い出すこともありません。
感情に囚われているからです。
ミスを犯さないように注意をするだけで精一杯。
自分自身が整っていなければ、素晴らしい知識も技術も猫に小判なんですね。

 

 

人間は“自分ありき”。
自分本体を整えることが最優先なんです。
そういった意味において今、知識や技術よりも男女関係の話に耳を傾けようとしている方々は、人間の本質に気づいている人だということなんです。
…というお話をしました。

 

 

 

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普段、大学で准教授をしている女性技士や大学で講師をしている男性技士、現場の上司や一般男性職員など男女共同参画メンバーの協力を得て、男女8人で行うプロジェクトになりました。
私の「男女関係」「幸せ」についてのスピーチ、そして公開ディスカッションと公開セッション、そして結論に至るーというプロセスです。
役職の方たちも含めてメンバー各人に役割りを演じてもらい、公開ディスカッションで男女のアツい討論を行なってもらいました。
通常【口に出さないであろう心の内】を、あえて発言してもらう男女の戦い。
著名な方々なので会場には知り合いも多くいて難しかったと思いますが、皆さん普段の自分を横に置き、役になりきって見事に戦ってくださいました。
現場で働く職員のために。観ている方々の職場のために。
その後、公開セッションへ。

 

 

コミュニケーションスクールで7日目で学ぶ、戦いを解決するワークです。
これはハーバード流交渉術としても知られていて、人質をとって立てこもる犯人に警察官が交渉するときの手段として知られています。
Better Oltarnative to Negotiated Agreement(交渉と同意のためのより良い代替手段)。
この方法を用いてファシリテーションを行い、男対女の問題を解決しました。
どうやって解決していくかについてはメンバーに明かさず、ただ、私がリードするので任せてくださいとだけお願いしていました。
するとね、とても面白いことが起こりました。

 

 

通常、男性は「職場・社会」に焦点を当てているため、子育てや家庭を優先する女性を否定的に捉えています。
そして時短をとる女性は「子育て・家族」に焦点を当てています。でも男性の在り方を否定しているわけではなく、自分もそう在りたいという思いを持って働いています。
これは本来戦いになっていないので解決するのが非常に難しいのです。

 

 

ところがワークの結果、
職場・社会に焦点を当てている男性に「その先は?」という未来の質問を繰り返し行なっていくと、「家族」に視点がありました。
そして子育て・家族に焦点を当てているはずの女性に「その先は?」という未来の質問を繰り返し行なっていくと、「社会」に視点がありました。
日々の行動・役割りを見ると「男性は社会」「女性は家族」。
でも遠い未来を観てみると【男性は家族】【女性は社会】であることがわかったのです。

 

 

 

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男女が戦う必要は無い、ということ。
お互い自分に無いものを相手が持っているから嫉妬しているだけなんですね~
男性には男性用の生殖器があり、女性には女性の生殖器があるように、男女はそもそも違う。
お互いを分かり合うことができなくても、お互いを合わせれば成果を生み出すことが可能なんです。
セックスと同じ。子供をつくるプロセスと同じ。笑
それなら職場でいがみ合っているより、男女共同でプロジェクトをつくって成果を生み出すことに取り組むといい方向に変わることが明確です。
この結果には、壇上で戦いを演じていた偉い先生方も目を丸くして驚いていました。

 

 

そしてハグをしてもらい、私が新しい案を提案してみました。
各職場で男女共同参画として、公開ディスカッションをしてみてはどうか?と。
通常、人は社会向けの仮面をつけて装っているため、思っていることをそのまま口に出すことをしません。
でも、一緒に働いているメンバーはちゃんとわかってくれる、ちゃんと自分のことを信頼してくれていると、同僚を信頼し、
また自分は信頼されるだけの価値がある、それだけのことを行なっていると、自分のことも信頼し、それぞれが胸の内を明かしてみることを提案しました。
「そうですね、やってみます」と返答してくださいました。

 

 

 

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皆さんの職場の男女はどうでしょう?
女性特例の休暇や時短によって起こる男女関係の問題は、臨床工学技士に限ったことではないと思います。
看護師の場合はややこしいかも。
「男のような女性の上司 対 まさに女の女性の部下」の戦いが行われているように思います。
戦いを省いてスムーズな人間関係をつくるコミュニケーションが、まさに必要な現場ではないでしょうか。

 

 

そして病院内では男女だけでなく、上司と部下、医師同士の派閥争い、経営者間の争い、製薬会社の争いなど、戦ってばかり。
そんな中にいると、患者も病気と戦わざるをえないため、自分自身と戦わざるをえない状況に置かれます。
病気を“悪”と捉えてやっつける、西洋の在り方がすべての人間関係に反映しているのです。
「病院にいると病気になる」と言われるのは戦いの原理があるから。
心身の健康に真摯に取り組みたいなら、病院を出て予防に取り組みましょう。
そして本質的な関わりができるナースに。

 

 

 
◆+。・゚*:。あとがき。・゚*:。+◆

学会は私自身もめっちゃ楽しかったです。
10年ほど前は自分が透析室で働く職員として学会に参加して勉強していた立場なのに。
舞台に立って面白がって話している自分に驚きました。
そしてどうやら学会において異色のワークショップになったみたいです。
いや、それを狙っていたんですが。笑
20人?40人?できるだけたくさん集まってもらいたいねーと言っていたのですが、150席埋まって立ち見の人もいるほどでした。
主催の方は「僕が入ったとき、会場全体が爆笑に包まれていてビックリしました。こんなこと今までの学会では無かったです。」と言ってくださいました。

 

 

そう言えば、会場で観ている人が勝手に発言し始めて、慌ててマイクを渡したり。
日曜の朝9時開始でしたが、居眠りしている人は一人もいなかったように思います。
入って来る人はたくさんいましたが、途中で退室する人はいなかったように思います。
演者が著名な人なので観ている人の興味を誘ったのでしょうね。
そして観ているひとりひとりが、自分がワークを行なっているかのように楽しんでくださったのではないかと思います。
最後はメンバー8人が扉のところに立ち、観に来てくださった方々にお礼を言ってお見送りしました。
まぁこんな演目は、学会には無いでしょうね。笑
で、来年男女共同参画担当の和歌山の方からオファーをいただきました。

 

 

何がいちばん楽しかったかというと。
8人のメンバーに関われたこと、なんです。
知っている部下がいるところで、普段の自分を置いてセックスレスの嫌われ上司役を演じるなんて、なかなか出来ることではないと思いますが。
それをしっかりやりきるところは流石だなぁと。
周囲から尊敬される役職についているだけあるなぁと思いました。
男女共同参画のメンバーは男性性・女性性共に高く、必要なところで必要な能力を発揮する魅力的な方々。
そういう人たちとプロジェクトを遂行できて、素晴らしい経験をさせてもらったなぁと感謝しています。

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【看護の本質とは】

看護の本質は「関わり」である。
コミュニケーションを通して心の問題を解き
その人なりの正道に従えるよう導くこと。
その人が正しいと思う日常生活が維持でき
健全な心と身体を取り戻す関わりが看護の本質である。
そのため看護師自身が実存的価値を持ち
自らの心身の健康を実践しているべきである。

山咲凛子

『看護の本質は“関わり”である』~理想と現実のギャップとは~

 

 

ナースが読む【心と身体のStudyMail】

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