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Yamasaki Rinko

「看護の二極化。あなたはどっち?」特定行為研修と予防看護

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2016年10月から厚生労働省推進の「特定行為に係る看護師の研修制度」が始まります。これは看護師が医師の資格を持たずに、手順書に従ってさまざまな医療行為ができるというもの。たとえばインスリン投与量の調整、抗けいれん薬や抗不安薬の投与、CVカテーテルの挿入、動脈穿刺、ドレーンの抜去、気管カニューレの交換など。団塊の世代が高齢を迎える2025年に向けて、多忙な医師に代わって看護師が行える医療行為を増やす目的で研修が行われます。
<「多くの看護師に特定行為研修を受けてもらいたい」厚労省担当官インタビュー/看護roo>

 

 
看護師は増やしてもまだまだ足りない!と、文部省の方針で看護大学への看護学部設置を急速に進めています。2025年には、現在よりも約50万人多い200万人もの看護職が必要だと。そして大卒以上の高学歴看護師の割合が高いほど、外科病棟や救急病棟に入院した患者の入院後30日以内の死亡率が低いというデータがあるそうです。今春の看護師国家試験の合格者に占める大卒者の割合はすでに31%、10年前と比べると約2倍になっています。
<2025年には200万人の看護師が必要? 看護系学部が増える3つの理由とは/dot>

 

 

 

しかしながら医療の現状は?
2014年度の国民医療費は過去最高の40兆8071億円。前年度に比べて7461億円増加。高齢者一人当たりの医療費は年間約90万円に膨らんでいます。とくに医療を多く使っているのは延命措置と高額医療で、厚生省は財源が入って来る見込みがないまま現状維持を貫いています。国民の増税に期待するしかありませんが、今後も高齢者は増え続けることから、いずれ医療財政は破綻すると言われています。
<国民医療費、過去最高-14年度の厚労省推計/医療介護CBニュース >

 

 
医療財政が破綻した場合、どうなるのでしょうか?
診療報酬が支払われない、あるいは大幅カットになるため、診療報酬に依存している病院から倒産していきます。金や診療報酬の割合が高い、地方の公立病院が厳しくなるという予測。健康保険や高齢者医療を使って安易に受診する国民が増えれば増えるほど、医療は破綻していくという流れが起こっています。
<「日本の医療制度は最短5年で破綻」/AERA>

 

 
この状況で看護師を増やしても、同じ環境で同じ労働条件で働き続けるのは無理なことが容易に想像できます。11年後には病棟で働く看護師が14万人余る見込み。大学は少子化の影響を受けながらも受験生を確保したいところですが、学科を増設しても就職先が決まらず、いずれ定員割れになることが予想されます。
けれど看護系であれば募集に困らず、就職先にも困らないため、学生を確実に集めることができるからだと言われています。大学にとっても、これから社会人になる学生にとっても、人員不足の看護系は利益を得るために好都合なのです。25年前は全国に11校でしたが、平成26年は228校に!
<「病院看護師」バブルがやってくる!/東洋経済ONLINE>

 

 

 

そしてもう一つ。厚生労働省は2035年の医療システムのビジョンと、ロードマップを示した「保健医療2035」を発表しています。今後、医療には大きな変化が3つあります。
1つめはAI(人工知能)。IBMの「Watson」がビッグデータを基に、特殊な白血病患者病名を10分ほどで見抜き、その生命を救ったと東京医科学研究所が発表しています。
2つめは地域包括医療。病院中心の医療から地域へと拡がり、「病気になったら病院へ行く」と考えていたものが、「普段から健康を守る」という予防がより重要になっていきます。
3つめはグローバル化。2020年の東京オリンピックを機に、50年以上公的制度の枠組みの中で行われてきた医療が大きく変わりそうです。

これによって予測されることは、医師や看護師は「今の知識と技術」だけではやっていけなくなること。医師はAIをうまくつかいこなす技術が必要になり、看護師はさらにコミュニケーション能力が必要になりそうです。
<「保険医療2035」/厚生労働省>

 

 

 

厚生労働省は日本の医療を「病気になったら病院へ行く」から「普段から健康を守る」に変える方針。そして病院で働く看護師が14万人余る見込みにより、在宅看護が圧倒的に増えるという予測ができます。
そこで看護が二極化します。
一方は《医師指示の下で医療処置を行うナース》
もう一方は《予防に取り組むナース》
今後、看護師がどのようなスキルを身につけるかによって進む方向が変わりそうです。

 

 
この2つは相容れない部分があります。
・医師の下で医療処置を行う場合は、現在と同様に診療報酬から収益を得るため、雇用形態で医療寄りの看護師に。
・予防看護は診療報酬制度ではないため、個人的な関わりで地域寄りの看護師に。

ただ、医療財政が破綻を迎えるとなれば、診療報酬制度で得る収入は厳しくなります。そして「保険医療2035」では、オリンピックを機に、約50年間公的制度の枠組みで行ってきた医療が変わると予想されています。現在すでに医師会を脱会する医師や、個人で活動する医師・看護師、可能な限り診療報酬制度を使わないクリニックなどが増えてきているのをご存知でしょうか。健康保険の適応でない東洋医学を受診する人も増えています。

 

 
2015年に市の財政破綻により主要医療機関を失った北海道の夕張市。高齢化率45%のなか悲惨な現実が待ち受けるかと思われましたが、結果はその真逆でした。夕張市では介護状態になる高齢者の増加割合が低下し、死亡率も低下しています。なぜなら、病院に行かないことを決めた高齢者たちは、自分でできることを積極的に行い、リハビリを自分で行い、自分自身の判断で食べたいものを食べるようになったから。ようやく自己責任で生き始めた高齢者が元気になっています。
<医療崩壊のススメ/夕張市立診療所前院長:森田洋之医師>
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本当に望まれている医療とは何でしょう?
人々の役に立つ看護とは何でしょう?

今、日本では毎日2~3万人が病院を受診しています。新たに入院する患者が毎日3500人います。生活習慣病の人はザッとみても1000万人、その予備軍である高血圧症が1000万人、肥満症が3000万人。心疾患と脳血管障害で年間30万人の人が亡くなっています。
問題は診断や薬にあるのではない。「◯◯した方が健康にいい」「身体のために◯◯しない方がいい」とわかっているけどできない…自分の身体のことなのにままならない、ひとりひとりの心の持ち様に問題があります。つまり、病院で行なわれている患者教育や、政府が行なっている健康教育では、患者は変われないということ。

 

 
「病院を受診しても健康保険を使わないでください」と言われたらどうですか?驚くかもしれませんが、病気をすると高額な医療費がかかるとなると、日々の些細な体調の変化に気づくようになります。高価な薬が毎日必要になると困るため、日常生活を改善しようとする人が増えるのではないでしょうか。介護保険が使えなくなったらどうでしょう。介護状態にならないよう、社会生活を営みながら日々健康増進を図るのではないでしょうか。

『自分の健康は自分で守ることができる』これが医療の最大の目標ではないかと思います。

 

 
厚生労働省が言うように、高学歴看護師の割合が高くなれば、緊急時や重症患者の死亡率が低くなるかもしれません。しかしながら病気の人の割合は増え続け、心身の健康が著しく低下しているのが今の医療の全体像です。

あなたはどんな看護をしたいですか?

 

<『看護の本質は“関わり”である』~理想と現実のギャップとは~>
<『一家にひとり専属の予防看護師へ』保険医療2035と共に看護が変わる!>

 

【看護の本質とは】

看護の本質は「関わり」である。
コミュニケーションを通して心の問題を解き
その人なりの正道に従えるよう導くこと。
その人が正しいと思う日常生活が維持でき
健全な心と身体を取り戻す関わりが看護の本質である。
そのため看護師自身が実存的価値を持ち
自らの心身の健康を実践しているべきである。

山咲凛子     

『看護の本質は“関わり”である』~理想と現実のギャップとは~

 

 

ナースが読む【心と身体のStudyMail】

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