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『看護の本質は“関わり”である』~理想と現実のギャップとは~

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あなたの理想の看護って何でしょう?
「理想と現実のギャップ」
これに悩む看護師は少なくありません。
現場で求められるのは知識や技術や業務の速さ。
どれだけ要領よく賢く仕事ができるかに重点が置かれ、患者さんとのコミュニケーションを行う時間がないまま過ぎていく日々でしょう。
看護計画さえもルーチン化しなければならないほど、看護師は日常の業務に追われています。

 

 
私自身もそうでした。
(本当の看護はこんなんじゃない、でも理想を持ちながら働き続けることが看護師の仕事なんだ、きっとみんなそうなんだ…)と思いながら22年間続けてきました。
「メッセンジャーナース」をご存知ですか?
介護保険制度が制定されるずっと前から、在宅看護の道を切り開いてきた村松静子さん監修の本が出版されています。
実習中から感じていた葛藤やモヤモヤした心の状態が書かれていて、私自身がずっと感じていたのと同じことを感じていらっしゃった先輩看護師がいるとを知って心が震えました。
そして「メッセンジャーナース」という新たな看護の道を切り開かれました。

 

 
では、あなたが思う「理想の看護」って何でしょう?
現状は何だか違う、看護をしているとは思えない。
でも自分の理想がわからなければ現状を変えることはできません。
村松静子さんは、1990年代に看護を病院から在宅へと方向転換させ、その後介護保険制度が制定されて訪問看護が定着しています。
けれどもその後も病気や介護は増え続け、病院や施設に人があふれています。
これからの理想の看護とは何でしょうか。

 

 

 

看護師の皆さんは、フローレンス・ナイチンゲールの「看護覚え書き」をご存知でしょう。

①換気と暖房…空気を適切な温度に保ち、換気を十分にすることが大切です。
②住居の健康…きれいな空気や水、下水溝の整備や採光などに気を配ります。
③小管理…チームを組んで看護をしている場合、リーダーが他の看護師の言動にすべて責任を持ちます。
④物音…騒音や内緒話など、不必要な物音は患者さんに不安を与えます。
⑤変化…よい環境の変化が気分転換となり、回復につながります。
⑥食事…体調などに合わせて、食べられるようにする方法について注意を向ける必要性があります。
⑦食物…栄養バランスの良い食物を摂取することが大切です。
⑧ベッドと寝具類…こまめにシーツ交換をします。肌触りなど、患者さんに合った寝具であることも重要です。
⑨陽光…健康維持や回復のために、陽光は必要なものです。
⑩部屋と壁の清潔…こまめに掃除を行い、清潔を保ちます。ほこりを除くためには、濡れぞうきんで拭くことが効果的です。
⑪からだの清潔…からだを拭くと気持ちもすっきりして、回復につながります。
⑫おせっかいな励ましと忠告…よけいな話をして、却って不安を与えてはいけません。
⑬病人の観察…看護師に貸す授業で最も重要なものは観察です。表情や顔色、排泄物などを観察して患者さんの体調がわかるようにします。

 

 

またヴァージニア・ヘンダーソンの「看護の基本となるもの」もご存知でしょう。

①正常に呼吸する。
②適切に飲食する。
③身体の老廃物を排泄する。
④移動する、好ましい肢位を保持する。
⑤眠る、休息する。
⑥適当な衣類を選び、着たり脱いだりする。
⑦衣類の調節と環境の調整により、体温を正常範囲に保持する。
⑧身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する。
⑨環境の危険因子を避け、また、他者を傷害しない。
⑩他者とのコミュニケーションを持ち、情動、ニード、恐怖、意見などを表出する。
⑪自分の信仰に従って礼拝する。
⑫達成感のあるような形で仕事をする。
⑬遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する。
⑭“正常”発達および健康を導くような学習をし、発見をし、あるいは好奇心を満足させる。

 

 
これを見て気づきませんか?
“看護師でなければならないこと”は何一つ無いのです。
処置や注射や点滴などは本来医師の仕事。
検査や手術の介助も医師の補助です。
看護師が行うことはすべて“医師の指示の下に”という条件があり、実際的な看護師でなければ出来ないこと、というものがありません。
もちろん正確な観察、適切な判断や予測をするための専門的な知識は必要です。
けれども母親が病気の子供の世話をするのも、同様に看護でしょう。

 

 

 

これからの看護に求められる本質は、もっと高次元なもの。
「看護覚え書き」や「看護の基本となるもの」に書かれた内容に基づいて行う、【関わり】が看護ではないかと思うのです。

 

看護師は単にお世話する人ではない。
看護師の関わりによって、患者の状態は良くも悪くもなります。
社会生活の営みができなくなるほど問題を抱えてしまった人、社会や家庭から隔離されて入院生活を余儀なくされている状態は、自分自身を見つめなおす機会が与えられています。
そのとき関わる看護師によって、その人の予後の質が変わる重要な時期なのです。

 

 
身体は二十歳で成人しますが、心の成長は年齢とともに人生の最期まで続きます。
病気の大半は心的要因があり、小さな細胞に起こった微細な不具合から始まって長年の積み重ねによって器質的変化を起こしています。
看護とは日常生活の援助を通して相手の精神的成長を図ること。
病院や在宅、患者や家族など隔たりなく、その人の心身の問題を解決できるよう関わることが、看護師に与えられた課題ではないでしょうか。

 

 
現代には病気と介護があふれています。
同時に病気と介護に追われて人生がままならない人もたくさんいます。
これからの看護に期待されているのは“予防”。
予防することによって病気になる人を減らし、介護になる人を減らしていくと、きっと社会全体の質が変わります。
病気の始まりとなる小さな心の不具合を解決し、その人が自分自身の正道に従えるよう促していくー
“予防看護”が医療を変え、日本人の在り方を変えていくでしょう。

 

 

 

私たちの偉大なる先輩・先人たちが残してくれた言葉は看護の道しるべであり、看護の誇りです。
現代人の私たちには、その教えをさらに発展させて、社会をより健全な未来へと導く新たな看護を創っていく責任があります。
“21世紀の看護の継承”です。

 

 
看護の意義は“寄り添うこと”。
寄り添いとは、生物学的な要素として備えているホメオスタシスの同調原理によって、状態を伝播させることを意味します。
そのために看護師自身が成長し続け、『心身の健康を実践している人』であるべきなのです。

 

 

【看護の本質とは】

看護の本質は「関わり」である。
日常生活の援助とコミュニケーションを通して心身の問題を解き、その人なりの正道に従えるよう導くこと。その人が正しいと思う日常生活が維持でき、健全な心と身体を取り戻す関わりが看護の本質である。
そのため、看護師自身が心身の健康を実践しているべきである。

 

 

 


 

ナースが読む【心と身体のStudyMail】

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仕事が楽しくない、やり甲斐を失ってしまった、こんなはずじゃなかったのにと感じている看護師さん、ただがむしゃらに働いてるだけの看護師さんへ。

看護に“こころ”を取り入れて予防看護を確立していきたいと考えています。予防看護を教える講師になるための看護師の講座を開講予定。最新情報はメルマガでお知らせします。

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