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Yamasaki Rinko

「病気は悩んでいるときに発生する!」ナースが学ぶ心と病気の連鎖/第5講

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ナースが学ぶ心と病気の連鎖
「病気は悩んでいるときに発生する」

 

 
家で一人で悩んでいるときの自分の姿を思い出してみましょう。いつもと同じ場所に座り、じっと一点を見つめて身体は同じ体勢をとり続け、長い間考え続けているのではないでしょうか。そのとき、どんな呼吸をしているでしょう。

呼吸と身体の細胞について第1講でお伝えしました。感情、思考、身体の動き、内蔵機能もすべて自分自身の細胞が行なっているのですから、呼吸は何よりも重要ですね。ところがほとんどの人が呼吸を身体に任せてしまい、意識していません。悩んでいるときや感情にとらわれているとき、とても浅い呼吸になっています。

今回も看護学校で教わったことの復習です。悩んでいる状態が身体にどのような影響を及ぼしているのか、考察していきましょう。

 

 

1.悩んでいるときの呼吸は10分の1以下

はい

 

 

 

 

 

ちょっと懐かしい図ですね。

一般的な成人の全肺気量は4000mlですが、“残気量”が約1000mlあるため全部を吐き切ることは不可能でしたね。息を最大限吸って最大限吐いた場合3000mlの交換が可能。けれども通常の呼吸では予備吸気量と予備残気量があるため、1回約500mlの呼吸をしています。

ところが悩んでいるとき、たいてい背中が丸まり前屈姿勢で同一体位をとり続けているため、1回の換気量は200~300ml以下に制限されています。身体は細胞の酸欠状態を防ぐため様々な代替手段をとるため、息苦しさを感じることはありません。けれども細胞は活動エネルギーが足りず、四苦八苦している状態になっています。

 

 

 

2.エネルギーをつくるとき酸素が必要

TCAサイクル(クエン酸回路・クレブスサイクル)を思い出しましょう。
あー苦手な分野だわと感じる看護師が多いかもしれませんが、できるだけ簡単に説明しますので頑張って読んでみてください。

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身体の各部位は細胞が寄り集まった筋肉で動いています。その筋肉を動かすエネルギーはATP(アデノシン三リン酸)です。身体に貯蔵されたグルコースは、解糖系でピルビン酸に置換され、TCAサイクルに入ってATPがつくられます。そのとき状況によって2通りに分かれます。

・酸素が十分ある場合(好気性代謝)、ミトコンドリアでTCAサイクルが行われて36コのATPとピルビン酸が発生します。

・酸素が不足している場合(嫌気性代謝)、ミトコンドリアで生成できないため解糖系だけになり、2コのATPしか生産できず“乳酸”が発生します。

このTCAサイクルによって、全身を構成する約60兆個の細胞が活動するためのエネルギーをつくっています。酸素が十分にあれば多くのエネルギーが生成され、酸素が不足していれば少しのネルギーしか生成できないばかりか、同時に乳酸を生成してしまいます。

 

 

 

3.乳酸がたまると筋肉は硬くなる

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“乳酸”は筋肉を長時間使ったときに起こるだるさや、長い間同じ姿勢で作業を行なったときの肩こりの原因になります。もみほぐしたり温めたりすると症状が和らぐのは、血液循環が良くなり酸素が補われて、細胞が柔らかくなるからです。

統合失調症の患者さんにカタレプシーという症状があります。別名「蝋屈症」(ロウクツショウ)といい、まるでロウで作られたかのように不動になってしまう症状です。筋固縮、緊張病など身体の一部分に起こることもありますが、細胞内に蓄積した乳酸によって筋肉が硬くなって起こります。

突然死は心臓の動きが突然低下して、身体の細胞に酸素を送ることができなくなって死に至ります。原因に過労死やストレスが挙げられますが、緊張状態で酸素不足が長く続いた結果、乳酸が蓄積して心臓の筋肉が正常に機能しなくなって起こります。

亡くなった後の死後硬直は、全身の細胞が乳酸でいっぱいになった状態です。心臓が停止した後も、しばらくの間は細胞が活動を続けていますが、酸素供給が行われないため徐々に乳酸が溜まり始めます。そして全身の筋肉に乳酸が溜まり、全細胞が硬くなった状態が“死後硬直”です。別名“乳酸硬直”と言います。

 

 

 

4.筋肉は全身を動かす細胞

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筋肉は手足や体幹を動かす随意筋だけではありません。物を見るときは眼筋を使い、空気を体内に取り込むときは鼻翼を動かす筋肉や、喉の筋肉、肺の筋肉を使っています。心臓・腎臓・肝臓・胃・腸などの内蔵を動かしている不随意筋もすべて筋肉。思考するときは脳の筋肉組織を使っています。

悩んでいるときの浅い呼吸状態が続くと、全身がその影響を受けます。とくに悩んでいなくても感情にとらわれているときや、同じ姿勢を続けているとき、緊張が続いているときも浅い呼吸をしています。全身の細胞に必要不可欠な酸素が10分の1しかない状態です。

体感では感じないかもしれませんが、小さな細胞が乳酸によってダメージを受けています。身体は全身で恒常性(ホメオスタシス)を維持しているため、たった一つの細胞の狂いが全身に影響をもたらします。こうして自分自身が気づかないうちに病気の種ができ、改善されないまま徐々に拡がり育っていくのです。

“今、自分がどのような呼吸をしているか”に気づくことが大切です。一日に何度も深呼吸をすること。一日10分、意識して呼吸を続けてみるだけでも身体には効果があります。体操をして血液循環を良くしておくことや、リラックスして過ごす時間を持つことも大切です。

 

 

 

5.ナースと呼吸

ヘルパー

 

 

 

 

 

看護師は患者さんに対してパルスオキシメーターを頻繁に使います。そう、呼吸はもっとも重要であることを知っていますね。けれども、自分自身はどうでしょう。医療的な“異常値”ではありませんが、浅い呼吸は明らかに身体に影響しています。

看護師がストレスを抱えて身体に過剰に力が入っていたり、筋肉が緊張している状態では、患者さんにも緊張や不快感を与えます。すると患者さんは、安心しリラックスして十分な酸素を取り込むことができなくなってしまいますね。看護師自身がしっかり酸素を取り込んでおくこと、意識して深呼吸をするように心がけましょう。

 

 

看護師・心力教育家/山咲凛子
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ナースが読む【心と身体のStudyMail】

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一生懸命なのに何故か満たされない、何故か成果を感じない、何故かモヤモヤする…。何が原因かを考える間もなく、がむしゃらに勤務を続けている看護師に。

身体について知識と経験を積み重ねた看護師は、心について理解しやすい職業です。

心とは、身体を構成する小さな細胞一つから、遺伝子やホメオスタシス、感情レベルから生命の起源、そして自然や宇宙まで拡がる壮大な想像空間を意味します。心と身体を通して、あらゆるものとの繋がりを知るメルマガです。

看護にコミュニケーションや心理学を取り入れると、患者さんへの関わりがどんなふうに変わるのか、またあなた自身の心の問題を解決する方法、今後ナースが病院を出て個人で活動する在り方などをお伝えしています。

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