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新人ナースの教育担当をしている私が責められた!新人を格段に成長させるベテランナースの教え方5ステップ♪

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中堅になってくると、新人ナースに仕事を教える役割りを担います。
「私はあまり人に教えるのは好きじゃない」
という人は、新人ナースがなかなか仕事を覚えられず、担当のあなたが周囲から責められてしまった、などの経験があるのではないでしょうか。

 

人にはそれぞれペースがあるので、その子のペースを大切にしてあげたい。早口で一気に教えても覚えられないので、できるだけ丁寧に教えてあげたい。その状況にならなければ経験できないこともあるから焦らずに教えたい。…嫌になって辞めてしまわないよう、相手を尊重しながら指導していきたいですね。

 

けれども「夜勤に教育担当ナースが付くのは3回だけ」などの決まりによって、指導する時間に限りがあります。新人が他のナースと当直になったとき、新人の要領が悪いともう一人のナースに負担がかかります。それを考えると、できるだけ素早く仕事をこなす手際の良さも身につけてもらわなければなりません。

 

外来診療の場合はいくつも科があって、さらにDr.によってやり方に違いがあります。検査や処方の書類、診療に伴う書面は数えきれないほどあり、他職種や地域との連携についても教えなければなりません。関わる人が多く、患者への対応や指導もさまざまですね。

 

もし新人ナースの仕事ができていなければ、その本人だけでなく、教育担当のナースに苦情が来ます。(そんなこと言ったって…)と心の中でつぶやいてしまうのではないでしょうか。慌ただしい勤務の中で、限られた時間内で、どんなふうに沢山の仕事を伝えればいいのでしょう?

 

 

 

新人を格段に成長させる
中堅ナースの教え方5ステップ♪

 

1.最初に看護の“在り方”を伝える

新人教育を担当するナースが最初に伝えるべきことは、その職場でもっとも抽象的な概念「在り方」です。たとえば整形外科の病棟であれば、患者さんの社会復帰を目的として看護をしていきます。呼吸器内科の病棟であれば患者さんが安定した状態で日常生活ができること、循環器内科の病棟であれば患者さんが自己管理できるようになることなどを目的として看護をしていくでしょう。

 

外来診療にも訪問診療にも、それぞれの役割りがありますね。これらの概念は、指導を担当している中堅ナース自身の考えで構わないのです。経験を積み重ねているからこそ、指導の役割りを担っているのですから。自分たちが関わる患者さんがどのような状態になれば看護を果たせるかといった目標を意識して、方向性を確認しましょう。そうすると、一つ一つの判断を誤らないのです。

 
ありがちなのは、最初からマニュアルに沿って予約の取り方や連絡先や書類の書き方など詳細を一気に伝えていく方法です。この方法は聞いている新人ナースにしてみれば、業務の煩雑さを感じて不安になっていくばかり、あるいはメモをとるのが精一杯で、ほとんど記憶に残りません。まず教育担当ナースであるあなたが自信を持ってリラックスして関わりましょう。その状態が新人ナースに伝播します。

 

 

 

 

2.看護の“役割り”を伝える

次は、勤務ごとの役割りや、科ごとの役割り、時間ごとの役割りについて、最初より少し具体化して伝えます。たとえば、病棟で準夜勤をする場合、患者さんの安全安楽を図り睡眠を促すことが看護の大きな目標です。深夜勤は、夜間の睡眠を守り、朝は活動を開始できるよう援助することが看護の目標ですね。

 

外来診療や訪問診療には、異常を早期に発見することや、スムーズな診療が行えるよう医師を補助することが目的かもしれません。それも時間帯や訪問先によって変わるでしょう。具体的な業務を教えることよりも、看護の役割りや看護師の在り方を教えることの方がなぜ大切なのかについては、後ほど説明します。

 

 

 

 

3.時間の流れにそって業務内容を伝える

もう少し具体的にしますが、まだ詳細には伝えません。時間の流れにそって業務内容を伝えるのは、新人ナースが自分の動きをイメージするための目的で行います。仕事量の多さや煩雑さにとらわれてしまわないよう気をつけながら、ここでは「何のために、この時間にそれをするのか」について伝えましょう。

 

 

 

 

4.優先順位の高いものから伝える

看護師の仕事には、大きくわけて「看護」と「業務」があります。看護は患者さんに向けて行う仕事。業務は看護にもつながりますが、直接患者さんに対して行うことではない雑務とも言える仕事です。たとえば夜勤の場合、患者さんに対しては「睡眠を守ること」ですが、業務としては「日勤者がスムーズに動けるように整えておくこと」かもしれませんね。

 

新人ナースには、「看護」と「業務」を考えながら、教育担当ナース自身の経験を活かして優先順位に従って指導していきましょう。“優先しなければならないこと”と“後で出来ること”が理解できれば、新人ナースが一人立ちをしたとき、自分で考えて判断できるようになり自信につながります。

 

 

 

 

5.具体的に伝えていく

そしてようやく具体的な行動や手順について伝えていきます。新人ナースはここまでの説明によって、自分自身の在り方や、看護の目的、勤務の役割りなどがわかり、自分でイメージができ、何のために自分がそれをするのかを理解しています。そうすると、煩雑な業務や細かな手順を説明しても、頭の中で整理されるためパニックになりません。

 

もし詳細な説明が抜けていたり、忘れてしまったとしても、業務の目的や優先度がわかれば、新人ナースは自分で判断して次の行動を選択できるようになります。細かなことであれば、他のナースが簡単に教えることもできるでしょう。教育担当ナースが新人ナースに伝えることは、もっと重要な、あなたでなければ伝えられないことを話すべきなのです。

 

 

 

 

なぜ抽象的なことから伝えていくのでしょうか?

人の頭の中には、それぞれの知識と経験による言葉のパッケージが連想ゲームのようにつながって拡がっています。たとえば「りんご」の並列には「みかん」「バナナ」「ぶどう」があります。では「りんご・みかん・バナナ・ぶどう」を含む言葉は?「果物」がありますね。「果物」の並列には「野菜」「お肉」「魚」などがあります。では「果物・野菜・お肉・魚」を含む言葉は?「食物」がありますね。

 
少しずつ抽象的になっています。

 
逆に「りんご」に含まれるものは何でしょう?「青りんご」「赤りんご」がありますね。では「赤りんご」に含まれるものは?「富士」「ジョナゴールド」「紅玉」などがあります。では「りんご」であり「赤りんご」であり「富士」に含まれるものは?「秋田県産」「青森県産」「山形県産」などがあります。「秋田県産」の中には「山田さんが育てたもの」「鈴木さんが育てたもの」などがあります。

 
少しずつ具体的になっています。

 
この言葉の地図は人それぞれの知識と経験によって違い、正解があるわけではありません。抽象的になっている方向を帰納法、具体的になっている方向を演繹法といい、脳内で繰り広げられている“論理”なのです。

 

 

そして医療従事者の仕事において重要なのは「概念」「在り方」「目的」であり、それが理解できると、具体的な事柄一つ一つが判断しやすくなります。逆に具体的なことばかりを教えられたり、抽象的になったり具体的になったりすると、脳内でバラバラになったままなので全体的な理解ができません。たとえ優れた能力がある新人ナースであっても、仕事に慣れるまで時間がかかるでしょう。

 

これは近年のコンピューターの発展に伴い、コンピューターにどのようなプログラムを入力すれば人間のような柔軟な判断ができるかについて研究している「認知科学」に基いています。認知科学は人がどのように物事を捉え、解釈し、判断しているかを明らかにした脳の理(ことわり)なのです。

 

これによって、人がどのように悩み、どのように心の病になっていくかがわかり、認知科学を心のケアに取り入れることでうつ病を解放するなどの治療成果をあげています。新人ナースの教育にも活かしてくださいね。

 

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