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Yamasaki Rinko

どうしよう?!取り返しがつかなくて看護師を辞めたいと思ったときの心の対処法

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看護師は毎日いろんな患者さんに関わり、その都度まさざまな判断をしています。
ほんのちょっとの情報不足が重大なことを引き起こしたり、
ほんのちょっとの見落としが重大なことにつながったり、
ほんのちょっとの勘違いが重大なことに…
息切れするような忙しさの中で、毎度的確な判断をしていかなければならない時間の繰り返しです。

 

公にできないようなこともあります。
いっぱい勉強して資格を取って、毎日一生懸命やっているのに起こってしまう不可抗力な事故。
そんなつもりじゃなかった、
そんなことになるなんて思わなかった、
私はただ…
という言葉が心の中で繰り返されますね。

 

事故が起こるときというのは、何重もの伝達ミスや、何重もの見落としや、何重もの勘違いが重なって起こります。
どこかで誰かが気がつけば…
なんでこんなことになってしまったんだろう…
とモヤモヤします。
けれども起こってしまったことは事実。
そこに自分が関わっているなら、自分の責任です。
複数の人が関わっていたとしても、最終的に自分が患者の身に関わったなら自分の責任です。

 

私は看護師に向いていないのかも…
私には無理なのかも…
荷が重すぎる…
もう辞めようかな…
自分の不甲斐なさを痛感するんですね。

 

 

 
こんなことがありました。
看護学生は学校が終わってから病棟に入ります。
介助が多い老人病棟での当直です。
食事介助、服薬介助、洗面介助、寝衣交換、オムツ交換、体位変換、洗い物、掃除、そして夜勤看護師の補助を行うことが仕事。
遅れて入るので、申し送りは聞かなくてもいいとされていました。
日勤者から夜勤者への申し送りをしていても、ナースコールに対応することが決められていました。

 

出勤してナースステーションに入るとすぐに、隣の部屋からナースコールがありました。
ちょっとぽっちゃりしたおばあちゃんで、家族が2人付き添っていて、
家族から「うがいしたいって言うんやけど」と言われました。
初めて見る患者さんなので、カルテを見たいと思ったけれど申し送りで使われていました。
日勤者の看護師に洗面介助をしてもいいか聞くと、「いいよ、してあげて」と言われたので、必要物品を準備して患者さんのところへ行きました。
「座りますか?」と尋ねると「うん」と返事があり、背中を支えて上半身を起こそうとしましたが、体が重く動きづらそうなのでギャッジアップをして座ってもらいました。
「自分で出来ますか?」と尋ねると「できる」と。家族もうなずいていました。

 

それから数十秒経った頃。
ナースステーションに入りかけたとき、ピーッという機械の音が聴こえました。
そのおばあちゃんのベッドサイドに置いてある血圧計の音でした。
見ると、測定不可のランプが出ています。
測定不可の値ということは250を超えているということ。
慌ててギャッジアップしていたベッドを戻しましたが、おばあちゃんは意識混濁。
そのまま帰らぬ人になってしまいました。
「解離性動脈瘤の破裂」でした。

 

家族の目の前で起こった事故。
おばあちゃんを座らせたのは私。
初めて見る患者さんの病名も知らずに介助したのも私。
集まった親戚が、夜中まで廊下で声を上げて泣いていました。
私は泣きながらおばあちゃんの体を拭き、数時間前に会ったばかりなのに最後の処置を行いました。
おばあちゃんは、みんなに大切にされているおばあちゃんでした。

 

 

 
取り返しのつかない事態になったとき、毎日誠実に行なっていることは頭に浮かびません。
失敗してしまったところだけに焦点を当ててしまいます。
そして(私にはもう無理なんじゃないか…)と思ってしまいます。
でもね?
もしこのまま看護師を辞めてしまったら、この出来事はいつまでも後悔する“最悪”な出来事でしかないんです。
それでも辞めずに続けるから、最悪な出来事が“宝もの”になっていくんです。
でもどうしても耐え切れない辛い気持ち…
どうすれば変えられるのでしょうか。

 

 

取り返しがつかないことが起こったときの心の対処法

 

1.客観的に書く

予測できなかった事柄が起こったとき、医療現場では報告書を作成します。
「事後報告書」ですね。
通常これを書くのを嫌がる人が多いですが非常に重要なこと。
書くことが決まれば、できるだけ自分から進んで書いてほしいと思います。
なぜなら、書きながら問題を整理できるからです。

 

当然自分の落ち度も書きますが、事後報告書は反省文ではないので過剰に反省したり自分を責める必要はなく、客観的な視点で淡々と書くことがポイントです。
報告書を書くのは「同じ過ちを繰り返さないこと」を目的としています。
自分のことだけでなく、周辺の問題も一緒に書き、何をどう改善すれば防ぐことができるかを考えるための資料作成なのです。
たとえば上記の話であれば、
・申し送りを聞かなくていいとされていること
・患者の状態を知らずにナースコールに対応することの危険性
直接的に言いにくいことも、書面なら書きやすいという点が一つ。

 

そしてもう一つは未来のために書きます。
事故が起こったときに明確にしなければ、これから先もこの危険な状況は当たり前のように扱われ、また次に学生が来たとき同じシステムになります。
すると、その人もまた自分と同じような思いをしなければならない可能性が高くなります。
患者さんに対しても同じです。
同じような辛い思いをする人を防ぐためにも、報告書は他者に任せず自分から進んで書くべきなんですね。

 

報告書を書いた方が、ほんの少しすっきりします。
自分を責めるような気持ちで書いている人はしんどいかもしれませんが、報告書の目的を知れば、自分を過剰に責める必要も、報告書の作成を嫌がる理由もなくなりますね。

 

 

 

2.静かに過ごす

事後報告書を書いた後も、しばらくの間やり切れない気持ちが続くでしょう。
まだ問題は改善されていないし、起こったことは事実。
自分の力不足を痛いほど感じたり、不甲斐なさを感じたり、切ない気持ちは続くかもしれません。
けれども、その気持をしっかり受け入れましょう。
どうにもできない苦しさは、自分しだいで今後のエネルギーに変換できるからです。

 

飲みに行ったりカラオケに行ったり、愚痴を言って、自分の気持ちをごまかすのはやめましょう。
自分の気持ちをごまかす習慣は、正直になれない自分をつくっていき、人を信じることができない自分になっていきます。
「落ち込んでいてはいけない」と思い、努力してポジティブな私になろうとするのも危険です。
ネガティブな感情を感じている自分は、紛れもなく自分だから。
抑圧した感情はより大きく育ち、心をゆがませるのです。

 

過剰に自分を責めないよう気をつけながら、静かな夜を過ごしましょう。
切ない気持ちに静かに耐えたチカラは、これからの原動力になってくれます。

 

 

 

3.後輩に話す

看護師をしていると、必ず後輩ができます。
指導者にならずとも、後輩に関わることはあるでしょう。
もしその人たちが取り返しのつかない事態を起こして辞めたいと思っているとき、自分の経験を話してあげることが役に立ちます。
まだ経験が少ない看護師にとって、経験談を話してあげることはとても有効。
目に見えない危険を予測し回避することが可能になるからです。

 

後輩の看護師は、自分の失敗を誰かに話すと自分の評価が下がる恐れがあるので、あまり話さないかもしれません。
先輩看護師を怖いと感じている人も多いようです。
けれど経験談を聞くことによって先輩を身近に感じ、後輩看護師もまた自己開示できるようになります。
出来事そのものは良くなかったことかもしれませんが、こうして看護に活かしていくことによって、少しずつ変化していきます。

 

 

 

4.誰かに役立てる

事後報告書で公開し、後輩看護師にも話しました。
次は、今自分の目の前にいない“誰か”のために役立てること。
最近は、看護師が心理学を学びカウンセラーやセラピストになって、自分の経験を誰かに役立てる人が少しずつ増えてきました。

 

またブログを書く看護師も少しずつ増えてきました。
患者さんのことは書けないし、職場のことも書けないし、結局書きたいことが書けずにやめてしまっている人が多いようですが。
もし悩んでいる看護師が、今の自分が直面している問題と同じ記事を見つけたら、きっと勇気づけられるのではないかと思います。
そしてこれを行うと、自分にとって“最悪”だった過去の出来事がまた形を変えていきます。

 

自分と同じような経験をして苦しんでいる人を、ほんのちょっとでもラクにしてあげる働きかけをすること。
それがまた自分を磨いていくことに繋がるんですね。

 

 

 

おわりに

「起こった出来事」は目に見えるので明らかにわかりますが
「起こっていない出来事」には、気づくことができないんですね~
あなたが予防策を講じて起こらなかった事柄もたくさんあるはずなのですが、気づくことが難しいのです。
事故が起こらなかった日は“スペシャルな日”であることに気づきましょう。

 


 

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