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Yamasaki Rinko

両親の高齢者うつで悩む家族/8つの解決ポイント

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平成26年現在65歳以上の高齢者は約3300万人、全人口に対する割合は約26%、4人に1人が65歳以上という過去最高の割合になっています。認知症とともに高齢者のうつ病罹患率は高いですが、両者は見分けがつきにくく、悪化してしまうケースが増えています。

 
高齢者のうつ病の割合は約13%。10人に1人はうつ病の診断を受けているわけですが、ほとんどの場合子供は仕事や家事や子育てに忙しい年代で、うつ病になった両親にどのように関わればいいのか困ってしまいます。食欲の障害、睡眠の障害、健忘症、身体症状などさまざまな症状への対応も必要ですが、ここでは“家族の関わり”に焦点を当てます。

 

 

両親の高齢者うつで悩む家族
~8つの解決ポイント~

 

1.高齢者うつの特徴

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高齢者のうつ病は、若い世代のうつ病と比べてさまざまな喪失体験がきっかけであることが知られています。具体的には、老化による身体・知的機能の低下や配偶者や知人・友人との死別、定年退職による社会的役割の喪失などがあげられます。
 
・配偶者や友人が亡くなって孤独
・子供が独立して張り合いがなくなる
・好きなことへの興味がなくなる
・いつも疲れて寝てばかりいる… など
 
「年だから仕方がない」と判断したり、「膝が痛いから動けない」「血圧が高いからあまり出歩けない」など他の病気の症状に隠れてしまうことが多く、高齢者自身もその家族も気づきにくいのが特徴です。

 

 

 

2.生活環境や生活ペースを変えない

 
とくに一人暮らしをしている両親がうつ病であるとわかったとき、一緒に住んだ方がいいのだろうか、一人では危険ではないだろうかと悩みますね。症状の程度にもよりますが、基本的に高齢者の環境は変えない方が良く、急な環境の変化は認知症を招きます。

 
若い人は環境の変化に柔軟に適応する能力を持っていますが、高齢になると環境の変化に適応しにくくなります。たとえば足の骨折で入院しベッド上の安静を強いられると、早い場合は一晩でまるで別人のように認知症を発症します。やむなく同居する場合は、できるだけそれまでの生活ペースを続けられるように配慮してあげましょう。

 

 

 

3.心配し過ぎない

 
高齢者のうつ病の根本は「喪失感」です。言葉にはしませんが心のどこかで、自分はもう必要とされていない、自分は何の役にもたてない、自分にはもう価値がない、と感じています。もし家族が過剰に心配するとどうなるでしょうか?

 
自分の子供が気にかけてくれている、心配してくれている、一緒に過ごしてくれる時間が増えた…と、安心し嬉しくなるでしょう。ただその状況をつくってしまうと、両親はうつ病を治すことができなくなります。もし治ってしまうと子供はまた自分から離れていく、ということを無意識的に感じるためです。

 

 

 

4.手伝い過ぎない

 
できるだけ日常生活を手伝い、両親の負担を軽減させてあげることが良いと考えるかもしれませんが、それは逆効果。高齢者のうつ病の根本原因は「喪失感」でしたね。自分の役割りがなくなって自分自身が生きている価値を失っていることにあります。

 
症状の程度にもよりますが、体は使わなければすぐに機能が低下し、ますます動けなくなって抑うつ状態の悪化を招きます。これまで自分で出来ていたことを続けられるよう配慮してあげましょう。自分で行わないからと言って家族が怒るのではなく、本人が行いやすい環境を工夫してあげること。家族にしかできない細やかな関わりです。

 

 

 

5.励まさない

 
高齢者うつは、子育てを頑張ってきたり、長い間働いてきたなど、社会的な役割りが大きかった人ほど罹りやすい病気です。そのぶん喪失感が大きいためです。その役割りを失った高齢者に「頑張って」「元気になって」「やればできる」というような言葉かけは、心的負担を増幅させてしまいます。

 
身近にいる家族だからこそ心配になり、手伝いたくなり、励ましてあげたいところですが、これらは逆効果。身近にいる家族だからこそ、見守ってあげましょう。急な変化や危険が予測されるとき、すぐ手を差し伸べてあげられる距離を見つけていきましょう。

 

 

 

6,つながりをひとつ作る

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心配し過ぎない、手伝い過ぎない、励まさない、と過剰に関わらないことをお勧めしましたが、突き放すわけではありません。“いつも気にかけているよ”という姿勢を同時に持ち、安心させてあげましょう。それは、両親のために子供(あなた)の役割りをひとつ作ることなのです。

 
たとえば病院の受診は必ず付き添うとか。毎日仕事帰りに必ず電話をするとか。毎日夕食を一品届けるとか。小さなことですが定期的な約束です。つながりは信頼関係をつくるので、あなた自身もこの約束を守らねばなりません。ちょっと努力すれば続けられそうなことを見つけましょう。

 

 

 

7.小さな楽しみ(役割り)を見つけてあげる

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高齢者うつの人が感じている“喪失感”は、どうすれば埋めることができるでしょう。社会を引退し身体機能が低下している状態で「何か楽しいことをすれば?」と言われても、自分自身で楽しみを見つけることは至難です。身近にいる家族だからこそ、どんなことに楽しみを見いだせるか気づいてあげられるのではないでしょうか。

 
たとえば孫をとても可愛がっているなら、週に何度か孫を預かってもらうとか。もともと花が好きな人だったなら、簡単に花が育てられるよう準備をしてあげるとか。料理が好きな人だったなら、週に1回家族が集まるときに料理ができるよう準備してあげるとか。これまでの仕事・趣味・生活の中から見出してあげると取り組みやすいでしょう。

 

 

 

8.感謝の言葉をたくさん伝える

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両親が高齢者うつで悩む家族に、最も大切な関わりはこれです。両親が感じている“喪失感”は、自分が育ててきた子供から感謝されることで徐々に埋まっていきます。子供は自分の生き甲斐として、人生をかけて育ててきた宝もの。その子供に感謝されることに何よりも悦びを感じます。

 
「お母さんのおかげで」「お父さんがいたから」という言葉をできるだけ頻繁に、会うたびに伝えましょう。恥ずかしがったり無反応の態度を見せるかもしれませんが、心の中ではきっと悦んでいます。誰でも感謝されると嬉しいものですから。歯が浮くような恥ずかしい言葉も、両親が落ち着いた生活を取り戻すため、病気を悪化させないためなら、きっと言えますね。

 
ただ、両親・舅・姑との関係が良好でない場合もあると思います。その場合は一緒にいるときだけの演技でかまいません。本心がどうかということは問題ではないのです。大きな喪失感でうつ病になっている両親を安心させてあげられるのは、病院の先生でも介護ヘルパーでもなく、家族だけ。家に帰ればいつものあなたに戻って両親や姑に対する不平不満を言ってもかまわないので、両親と会っているときは感謝の言葉を淡々と伝えてあげましょう。それが結果的にあなたの負担を軽減することになるでしょう。

 

 

 

さいごに

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高齢者のうつ病は治るのだろか?と心配されていると思います。認知症は脳の萎縮で起こるためほぼ不可逆的ですが、うつ病は治る可能性があります。とはいっても他の疾患を患っていたり、認知症が進行したり、身体機能が低下する、社会を引退しているなどの状況は変わらないため、治ったという明確な判断は難しいと思われます。

 
家族が安定した生活を取り戻すことができれば、うつ病が治ったかどうかの判定は要らないのではないでしょうか。

 

 


 

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