ナースのための心理学スクール <menu>をご覧ください ↓

menu

Yamasaki Rinko

虐待の連鎖に不安になったときに読むやつ。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 
虐待は人に相談しにくく表面に現れにくい問題ですが、よく話を聞いていくと、つい…という経験をして自己嫌悪に陥ったことのあるお母さんが多いように思います。
育児は自分の想いが伝わらない、言葉が伝わらない、思い通りに事が進まないなど、一日の大半を子供と二人で過ごしているお母さんの負担になりやすく、感情をコントロールできなくなったとき突発的に起こるケースが多く見られます。
私がこんなに苦しんでいるのに何でわかってくれないの…?
お母さんは何度心の中で叫んでいるでしょう。
子供が状況を理解できないことは目が覚めればすぐわかることなのに、苦しい状態では何も見えなくなってしまっています。
屈託なく笑う我が子の顔を憎いと思ったこともあるかもしれません。

 

また一度手をあげてしまったお母さんは自責の念に駆られているため簡単に他人に相談できず、自分のことも子供のことも理解できないまま感情が増幅し繰り返してしまうことも多いようです。
自分が虐待を受けていなくても起こりますが、自分も親から虐待を受けた経験のある例が多いのも事実です。
虐待はかなり強く記憶に残ります。
思い出せば思い出すほど色濃く記憶に残っていくため、ちょっとしたことをきっかけに過去の記憶が発火してしまいます。

 

 

 

 
苦しんでいるお母さんは
「何度も愛そうと努力するけど愛せない。そんな自分が悲しい。」
「自分のお腹を痛めて産んだ我が子に関心が持てない私は、他の母親とは違う。」
と焦っています。
そのとき父親が周囲にいる者として支えになってくれればいいのですが、たいてい夫は仕事を優先しなければならないため子育ては母親に任せっきりになってしまいます。
自分が良い母になれていないと思われてしまうため、実母や姑にも相談しにくい問題です。
親や他人の評価を気にして「よい子」で育ってきた女性の場合、なおさら悩みを素直に打ち明けることが難しいでしょう。

 

そんなお母さんの記事を見ました。

孤独だった。布団から出られなくなり、泣いて甘える長男から目を背けた。言うことを聞かないときには小さな腕を力いっぱい引っ張り回し、寝たくないとぐずれば布団で押さえ込んでいた。やかんの湯、タオル、包丁…。家にあるものすべてが長男と自分を殺すための道具に見えた…。

この追い詰められたお母さんが児童相談所に電話をしたとき「1ヶ月待ちです」と言われ、絶望したそうです。
しかしその後、切羽詰まったお母さんは何とか身内に相談をし、身内から児童相談所に連絡を入れて緊急措置がとられたそうです。

 

 

 

 
厚生労働省によると、平成24年度に児童相談所が対応した虐待の件数だけでも6万件を超え増え続けていますが、これは氷山の一角です。
件数の増加に伴い相談員の負担も深刻化し、児童福祉司1人あたりが受け持つ平均相談件数は平成18年度で107件だったそうです。
欧米に比べて約5倍の多さです。
1人の児童福祉司が、どうやって年間100件以上もの相談に真摯に対応できるのでしょうか。

 

こうした中、心に傷を負ったまま成長した人が、我が子に同じことを繰り返す「負の連鎖」が起こっています。
自分が育てられたようにしか子供を育てることができず、母子何代にも渡って虐待が繰り返されているケースも少なくありません。
どこかで連鎖を断ち切る必要があります。
一般的には、6歳までの乳幼児の頃に自分の感情を満たせてもらえなかった場合、信頼感が欠如したまま成長すると言われています。
乳児期には泣けば誰かが来てくれる、お腹がすいたら満たしてくれる、オムツの不快感を取り除いてくれる人の存在があるかないか。
幼児期には自分が悲しいときには一緒に泣いてくれる、嬉しいときには一緒に笑ってくれる人の存在があるかないか、常に自分を認めてくれる人の存在があるかないか、です。

 

満たされないまま大人になった場合、「他人に理解され信頼感を持てる経験がないと、連鎖を断ち切るのは難しい」と言われています。
でも具体的にどう行動すれば、負の連鎖を断ち切ることができ、新しい道が見つかるのでしょうか。

 

 

 

 

他人に理解してもらうためには、まず自分から何か発信しなければなりません。
勇気を出して自分の体験や、ついやってしまったことを言葉で表出すること。
ついカッとなって…というお母さんは意外に多いです。
なんとか直前で自分を止めたという経験は誰にでもあり、母親であればその苦しさに共感してくれるはずです。
自分が勇気を出して自己開示したとき、初めて目の前の人も心を開いてくれるのではないでしょうか。
黙ったままでは誰も気づいてくれない恐れがあります。
いつまでも同じところにとどまっているより体を動かしましょう。
言葉にして誰かに伝えましょう。
心の専門家の支援を受けられることをお勧めします。

 

自分のいたらない部分を言葉にして伝えることは、自分の弱さを受け入れること。
それは、そんな弱い自分を許すことになります。
人間は20歳で成人とされていますが、それは法律上のこと。
人間は一生涯かけて成長していく動物なのではないでしょうか。
だから完璧に出来上がった母親などどこにも存在せず、育児という役割りを通して子供と共に学び成長していくのだと思います。
それは、おそらく自分自身への課題。
幸せになるための乗り越えるべき問題が来ているのだと思います。

 

誰かに心を開くことかもしれません。
人を信頼することかもしれません。
家族がうまくいくための試練かもしれません。
自分を含め、自分の母や祖父母を許すことかもしれません。
その苦しい経験を誰かのために役立てる使命があるのかもしれませんね。
きっと、そのために子供を授かったのでしょう。

 

 

 

 
専門家のチカラを借りると人の脳は思うより単純です。
辛くて耐えられない記憶を書き換えることも、無意識的なパターンになっている行動を無意識的に変えることも可能です。
今の状況を変えるための方法はあります。
人は今自分がいる世界しか見えないから、他の世界を知ることができないんですね。
あなたが知らない変化の方法を見つけるために、まずは動きましょう。
うつむいている顔を上げて自分の外側に目を向けたとき、きっかけはいたるところに散りばめられています。
行ったことのない道を散歩してみるとか、あまり聴かない音楽を聴いてみるとか、子供にいつもと違う話し方をしてみるとか、ほんの少し、いつもと違う行動をとることで変化は起こります。

 

男性は結果重視の男性性が強く、家庭という場を扱ったり、育てるという経過重視の行動は苦手かもしれません。
女性には子宮があり、命をお腹の中で育み、約60兆個もの細胞を持った人間をつくり出す能力を持っています。
ちょっとした変化に気がつき、柔軟性や協調性、調和する力やバランス力も長けています。
ただコミュニケーション力や想像力も豊かなため、自分の心の中で行なっているひとり言の影響を受けやすいのも女性性の特徴です。
だめだわ… やっぱり私は… わからない… 苦しい… もう無理…
そのひとり言が現実になっていくのです。
効果的でない自分との対話に気づいたら、いつもと違う行動をとりましょう。
そしてご相談くださいね。

 

 

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

カレンダー

2017年6月
« 5月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930